1.専門店での管理
ショップの規模や支店の数などで違ってきますが、支店の数が10店舗ぐらいなりますと、専門の担当者を決めておく方が良いと思います。このくらいの規模になりますとレギュラーパッケージはメーカーでも在庫対応をしてくれます。先ずそれぞれのパッケージについて年間の使用数量を予測します。発注ロット分のメーカーでの在庫期間を3ヶ月程度と仮定して、3ヶ月での使用予測を割り出します。次に1回の発注数量をこの数字に近い数量で設定してみます。この数量がメーカーの最低ロットに満たない場合は、メーカーと交渉することになりますが、あまりにもかけ離れた数量なら、そのアイテムは外してしまうしかありません。それでもどうしても必要という場合には既成品で対応するか、メーカーから一括納品をしてもらうことになります。
商品アイテムと発注ロットが決まったら、発注点を設定します。メーカーでの生産期間は、どのパッケージでもおよそ1ヶ月と見ておく方が良いと思います。従ってそれぞれのアイテムについて、在庫数量が1ケ月+αになった時点が発注点となります。メーカーから月初にアイテム別の在庫数量を報告してもらうことで発注点を決めるようにします。メーカーの方で在庫を判断して勝手に生産をしてしまうケースもありますが、デザイン変更をしたい時や、発注を打ち切りたい時には問題が生じますので、できるだけ発注する側に主導権をおいておく方が良いと思います。
メーカーとの間で在庫管理表を作成します。毎月最低1回、月末にチェックすると良いと思います。従来から取引しているメーカーであれば、過去3年の月別、アイテム別の出荷数量をデータとしてもらっておいて下さい。発注数量を決定する上で重要な判断資料になります。
資料5
在庫管理表の例
2013年9月30日
品番
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品名
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在庫数量(A)
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仕掛数量(B)
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納期
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A+B
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発注数量
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1
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手提げ紙袋大
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6,000
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0
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2
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手提げ紙袋中
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900
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3,000
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10/5
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3,900
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3
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(仕掛数量とはメーカーで生産中であってまだ仕上がってない数量)
※メールやファックスで送付されたら、発注数量を記入して送り返します。本店や物流センターにまとめて納品する場合と各支店に納品する場合がありますが、運賃が発生することもあるので事前の取り決めが必要となります。
管理のポイント
・品名はメーカーの製品名より自社の都合で考える。
・店舗では専用の在庫ラックを使用する。
・袋の底や紙器の見え難いところへアイテム名を印刷しておく。
2.量販店、百貨店での管理
専門店と違い1店舗で多くのパッケージを消費します。また、百貨店では売り場ごとにパッケージの管理が必要となり、店内の在庫場所も何箇所かに分かれてしまいます。百貨店では多くのアイテムがあり、その管理にもまた多くの時間と人材を掛けねばならないのが実情です。大手メーカーではこのような店舗に変わって、パッケージを管理するシステムが開発されています。発注、在庫管理、納品、検収をウェブで一括管理するシステムです。
メーカーとしては計画的な納品ができることや、受注作業などのコストを削減できるメリットがありますし、ショップとしては人権費や在庫費用などの管理コストの削減が可能となるメリットがあります。システムの使用料は別途必要です。また、このシステムにパッケージに関連した希望するアイテムなども追加することができます。ただ、メーカーに主導権のないアイテムですから一定の手数料は掛かります。詳しくはこのシステムを開発したメーカーから説明を受けてください。代表的なメーカーは、ザ・パック株式会社、スーパーバッグ株式会社です。百貨店ばかりではなく、大型の専門店でもこのシステムを使用することができます。メーカー主導で運営されるため、一度契約してしまうと他社に変更しづらくなるのが難点です。 また、発注先を一元化することで、社内の事務的な作業コストは削減できますが、商品に関する情報源まで一元化してしまわないように注意しておく事も必要です。アイテムごとに絶えず複数の業者から情報が得られるようにしておくことが肝要です。