Ⅳ ギフト用パッケージ


 業態は違ってもギフト需要は見逃せない大事なマーケットです。贈り物で自店を選んでくれた顧客を満足させなければ、せっかくの店格も台無しになってしまいます。先ずは中元と歳暮への対応をしっかりすること、その後パーソナルギフトを考えます。すべてのパッケージをギフト用に変えることは困難ですから、何かをプラスして対応する方法が良いと思います。
 百貨店を参考にすると良いアイデアが出てきます。中元、歳暮は最悪熨斗紙(のし紙)でどうにかなります。ただ、もうひとつ贈り物と違いますが仏事(弔事)需要というのがあります。これにはパッケージの色が絡んできます。暖色系の包装紙は避けねばなりません。できればテークアウト用の紙袋でも暖色系は避けた方が良いと思います。百貨店のような大規模なショップなら別途に仏事専用のパッケージも造れますが、できるだけ負担の少ない方法をとるなら既成品の使用が一番合理的です。仏事用の一般的な無地熨斗とグレーベースの包装紙、白無地のテークアウト用紙袋の大と小は最低常備しておくことをお勧めします。

1.ギフト包装紙とリボン

 パーソナルギフトでの大きなマーケットはクリスマスと誕生日です。子供もから大人まで男女から支持されるパッケージが望ましいと思います。クリスマスのカラーは赤をメインにすれば間違いはありません。誕生日用には男性向けと女性向けの2種類があれば理想的です。合理的な手段として、包装紙には女性用として赤を、男性用としては青、紺、グリーンなど寒色系のどれか1色を揃えておくという方法があります。これらの色は他にも使い道があります。例えば男性用として準備している青や紺などは、父の日、敬老の日、ホワイトディにも使用できます。もう1色ピンクがあれば母の日、バレンタインなどにも対応できるのですが、簡単にレギュラー包装紙だけで対応する方法もあります。

 レギュラーの包装紙を好んでいるファンも居ますので、ギフトだから包装紙を変えねばならいということもありません。リボンがギフト包装紙の代わりをしてくれます。赤のリボンがあれば、感謝の気持ちを伝えるギフトに、黄色のリボンは父の日のギフトにと変身ができてしまいます。これにピンクと青があればほとんどのギフトは対応できます。
和菓子など和をイメージさせたいショップでは、リボンよりも紙紐を使用します。2種類の紐を使えば演出のバリエーションも広がります。また紐の結び方にもいくつかのパターンがあります。

 仏事(弔事)の時には昔からのマナーにも注意をしておいて下さい。箱を包装紙でななめ包みする場合、裏に回った包装紙でできるポケットを下向きにしなくてはなりません。また、キャラメル包みをする場合はそのポケットの入り口が左になるようにします。(慶事はすべてその逆になります。)また、最終的に包装紙を留めるシールは包装紙と同色か銀色にします。ゴールドやセロシールなど光沢のあるものは避けねばなりません。シールが無い時は両面テープで対応します。

 もうひとつリボンシールという方法があります。ゴールドのシールにカットしたリボンを組み合わせて造ります。リボンをカットしてシールの裏側で山型に折り込んで造るのが一般的です。リボンの色は先述の通り赤、青、ピンクで十分です。ゴールドのシールに(HEART TO HEART)と印刷しておくことで感謝の気持ちを伝えることができてしまいます。

 包装紙の既成品はシモジマ、リボンの既成品は青山リボン、東京リボンなどは品揃え豊富です。
ラッピングの素材、リボンのかけ方など専門書も多く出ていますので参考にして下さい。



2.ギフトバック(ラッピング袋)

 紙器や包装紙を使わずに専用の袋を準備します。角底の紙袋の上部を二重に折り、穴を空けてリボンを通して結びます。また、ポリの平袋の上部をリボンなどで縛ることでも、十分にギフトらしさを演出することができます。ポリの素材はEVAなど柔らかいものが良いと思います。そしてもうひとつ、不織布の平袋を使う方法もあります。機械的にリボンを付けることのできるタイプのものもあります。雑貨、衣料などのギフトで、友人や家族など親しい人へのプレゼントには、カジュアルな雰囲気もあって好まれる方法だと思います。
 小さめのポリ袋はバレンタインやホワイトデーに利用できますし、少し大きいタイプがあればインテリアショップなどでは重宝だと思います。
 冒頭のギフト対応のところでもお話しましたが、袋のデザインはベーシックなものにしておいて、リボンの色を使い分けることで、様々なパーソナルギフトに対応することを考えてみて下さい。合理的な発想で経費負担を軽減することも大切です。