ポリ袋はレジンという粒状の樹脂をチューブ状に成形して造られた原反から製袋されます。平袋が基本的な形状となりますが、様々な加工をすることで紙袋のようにマチを付けたり、手提げの形状にすることも可能になります。
手提げ袋
ポリ製の手提げ袋でも機械で取っ手を付ける方法があります。原反をチューブ状からロール状のシートに加工した後、両端に取っ手を付け中心で折込みながら製袋していく方法です。これとは別に手加工で取っ手を付ける方法があります。チューブから成形する時にマチを付けて袋に成形した後、紙袋と同様に手加工で取っ手を付けます。
平袋
ポリのチューブをヒートシール(溶断)するだけで袋の形状になります。紙袋のよう に成形に型が要らないこともあって、基本的に寸法は自由に設定できます。また、上部に
手穴を空けることで手提げ袋の代用もできます。ファストファッションの店舗などでよく使用されています。
レジ袋
ポリの原反にマチを付けて袋の形状にした後で、上部をU字型にカットする方法で造ります。スーパーマーケットでよく使用されているタイプです。
○ポリ袋の印刷
ショップ用としての主流はグラビア印刷です。多色刷りで写真やイラストなど高い解像度を要求されるデザインにはフレキソ印刷が使用されることがあります。センタードラム方式と言って、8色を1度に印刷することができるフレキソ印刷機があります。通称のグラビア印刷と違い、原反が伸びることが無く色のズレが起こり難いというメリットがあります。赤ちゃんの写真などをデザインした紙おむつのフィルムパッケージでは、8色フレキソ印刷が使われています。8色のフレキソ印刷機は国内でも数台しかありません。
○ポリ袋の素材
テークアウト用パッケージとして使用されるフィルムの素材はLDPE(低密度ポリエチレン)またはHDPE(高密度ポリエチレン)が主流です。特にLDPEは柔らかくて成形加工もしやすく、ヒートシール性も良く、印刷適正が高いのが特徴です。平袋はHDPEを使うことが多くあります。HDPEは薄くても強度がありコスト面でメリットがあります。またEVA(エチレン・ビニル・アセテート)というフィルムを使用することもあります。化繊の生地のようなソフトなタッチがあり、巾着袋には格好の素材です。
ポリ原反はレジンに着色顔料を入れることで簡単にカラーを付けることができます。もともとは無色透明のもので、白も色素で色を付けたものです。顔料メーカーが作っている原反のカラーガイドを参考にしてください。HDPE用とLDPE用があります。
不織布袋
材料はポリエステル、ナイロンなどの合成繊維ですが、織布工程で造られるのではなく、合成樹脂接着剤の槽に通して含浸し、乾燥、熱処理をしたもので、主に洋服などの芯地に使われています。布のように縫製できますので、手提げ袋や巾着袋に加工します。また、生地の薄いものはポリ袋のように、シート状のロール原反を溶着加工して平袋に成形します。生地はメーカーが在庫している20種類ぐらいのカラーから選ぶ事ができます。印刷は基本的にはシルクスクリーンによる印刷です。平袋は国内生産が主流ですが、手提げ袋のほとんどは中国の縫製工場で作られています。
☆ポリ袋のメーカー
紙袋メーカーの大手企業の中にはポリ袋の生産ラインを持っているところもありますが、ポリ袋を専門にしているところは全国にたくさんあります。日本ポリオレフィン工業組合のホームページで検索してみて下さい。レジ袋は海外工場での生産が増えてきています。8色のフレキソ印刷機をもっている企業は限られます。国内で最も多く保有しているメーカーはザ・パック株式会社です。