Ⅶ - 2 ポリ袋の発注手順


 ポリ袋においては平袋も手提げタイプものも基本的には同じ手順となります。平袋を成形して手提げ袋にする形状のもの(底シールタイプの袋)で説明します。

底シールタイプのポリ手提げ袋

a) サイズを決める
 ポリ袋はマチがあっても角底の形状にはなりません。底にシール部分があるためにV字型の底になってしまいます。(底部分にボール紙を入れて紙袋のように角底にする方法もあります。)正面幅と底のシール部分から袋のトップまでの高さで寸法を表示します。

b) 原反素材を決める
 高密度ポリエチレン(HDPE)か低密度ポリエチレン(LDPE)か決めます。ソフトな手触りの方がLDPEです。標準的なサイズの手提げ袋なら厚さは100μか110μあたりが適性だと思います。あまり厚くしますと底のシール強度が落ちてしまいます。一般的に多いのは白色の原反ですが、カラー原反もあります。ポリ原反は紙と違って比較的小ロット生産できますので、原則的にメーカーの在庫はありません。すべてオーダーメードです。原材料に着色顔料を入れることでカラー原反を生産します。着色顔料のカラーサンプルはHDPF用とLDPF用がそれぞれ用意されています。着色顔料の含有率は原反材料の5%が基本です。

c) デザインを決める
 印刷は片面ずつ別の版になりますので、表裏違うデザインでも構いませんし、コストの都合で片面だけでも構いません。展開図は袋のマチ部分を左右のセンターで切った形になります。サイド面はインキの流れることも考慮して左右10mm程度は空けなければなりません。また、底のシール部分も15mm程度は空けます。白の原反で全面ベタ印刷のときにはトップの部分も10mm程度空けてください。マチの部分ではインキの載っていない部分が見えてしまいますが、トップは折り返してしまいますので外からは見えません。

 紙と違いポリフィルムはほとんどがグラビア印刷です。ポリフィルムは、テンションを掛けた状態で印刷機を通りますので、流れ方向に多少の伸びが生じます。特にテークアウト用パッケージに使用されるLDPEなどの素材は伸びやすいフィルムです。2色以上を使って色と色が接するようなデザインの場合には、ズレが生じて白場が出来てしまう可能性がありますので、何ミリかの重なる部分を作らねばなりません。また、重なったところは別の色になって残ってしまいますので、できるだけ色と色は離したデザインが良いと思います。また、グラデーションのあるデザインもオフセットのようには綺麗に再現できないので避けたほうが良いと思います。(食品などの個包装で使用されるOPPなどのフィルムは伸びない性質なので問題はありません。)デザインはカラー出力のA3用紙で確認しますが、版の確認は原寸の青焼きで確認してください。オフセットと違い刷版が高価なものなので慎重さが必要です。色の指示はオフセット用のカラーチップで構いません。色校正はグラビア専用の校正印刷機を使うことになりますが、発注ロットの多いものは印刷立会いをお勧めします。

d) 取っ手を決める
 取っ手の付け方は紙袋と同じです。人の手で付けられる紙袋用の取っ手はすべてポリ袋に使用できます。紙袋用の取っ手サンプルから選択します。

サイドシールタイプポリ手提げ袋

 発注の手順は底シールタイプのポリ手提げ袋と同様です。本体のサイドにシールがあるタイプなのでマチは底になります。ポリ素材の取っ手を機械で溶着していきます。取っ手は通常は白色ですが、ロット次第では別色も可能です。デザインについては先の底シールタイプと同じ要領です。シール部分は15mm程度空けて、底は折り返しの中心より10mmずつ空けます。